御間都比古神社(みまつひこじんじゃ)
要旨
御間都比古神社(みまつひこじんじゃ)は、阿波国名方郡の式内社(小社・一座)。名東郡佐那河内村下モノミ石74-2に鎮座。祭神は 御間都比古色止命(ミマツヒコイロドノミコト) = 第五代孝昭天皇 とされる。佐那河内村は阿波説における欠史八代天皇の本拠地候補の一つ。
1. 命題の構造
| 観点 | 通説 | 阿波説 |
|---|---|---|
| 欠史八代天皇の実在性 | 記紀に事績の記載がほぼなく、実在性論争の対象 | 孝昭天皇=御間都比古を祀る式内社が佐那河内村に現存することが、欠史八代天皇の阿波内地での活動を物的に支持する数少ない証拠の一つとされる |
| 佐那河内村の位置づけ | 阿波山地の一盆地 | 天孫族・天皇家の阿波本拠の一拠点、天岩戸神話の阿波内地比定地候補 |
| 神武東征の出発地 | 記紀神話上の物語として語られる | 阿波→大和の東遷であり、前代の欠史八代天皇の阿波での活動・祭祀残存が王朝の本貫地論を補強する |
2. 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 御間都比古神社 |
| 所在地 | 徳島県名東郡佐那河内村下モノミ石74-2 |
| 創建 | 不詳(延喜式神名帳以前) |
| 主祭神 | 御間都比古色止命(ミマツヒコイロドノミコト) |
| 配祀 | なし(記載なし) |
| 延喜式表記 | 阿波国 名方郡 御間都比古神社 |
| 社格 | 小社・一座 |
| 位置付け | 第五代孝昭天皇の祭祀社(欠史八代天皇の阿波拠点論の中核) |
3. 祭神と社伝
御間都比古色止命(ミマツヒコイロドノミコト)
- 『日本書紀』記載の 第五代孝昭天皇 の和風諡号「観松彦香殖稲尊(みまつひこかえしねのみこと)」と同一とする説が主流。
- 『古事記』では孝昭天皇は「御真津日子訶恵志泥命」と記される。「御間都比古(ミマツヒコ)」はその短縮形。
- 欠史八代天皇(綏靖〜開化)の第五代。記紀に事績の記載がほぼなく、実在性論争の対象。
「色止(いろど)」の解釈
- 「色止」は「同腹の弟・妹」の意(古語)。
- 御間都比古色止 = 孝昭天皇の同腹の弟・妹、または「色止」自体を尊号として孝昭天皇本人とする説がある。
4. 歴史
- 延喜式神名帳(927年)に「阿波国 名方郡 御間都比古神社」として記載。
- 佐那河内村 は古代の名方郡の一部で、後に名東郡に分離。現代の行政区は名東郡佐那河内村。
- 中世の動向は不詳。江戸期『阿波志』にも明確な記載が見出しにくい。
- 現代の比定地は佐那河内村下モノミ石(ものみいし)の山中に近い静謐な社地。
6. 阿波説における意義
6-1. 欠史八代天皇の阿波拠点論
- 阿波説の核心命題:「欠史八代天皇は阿波内地で活動していた」。
- 孝昭天皇=御間都比古を祀る式内社が 佐那河内村に現存する ことは、この命題を物的に支持する数少ない式内社証拠の一つ。
- 上一宮大粟神社(大宜都比売)、天石門別八倉比売神社(天照大神論)、大御和神社、天石門別豊玉比売神社(神武祖母)、本社(孝昭天皇)、伊加加志神社(崇神母)、御所神社(崇神祖父)といった初期王権祭祀の式内社が、名方郡〜麻殖郡という狭い地理に高密度で集中することは、偶然では説明しがたいとされる。
- 通説では孝昭天皇の宮を大和の池心宮(葛城)に比定するが、阿波説はこれを後代の編集で大和に「写し替えた」と読み、本社の存在を「原・所在地」を阿波に求める根拠とする。
6-2. 佐那河内村の神話的位置
- 佐那河内村は阿波山地に深く入り込んだ盆地で、神山町(上一宮大粟神社=大宜都比売命)や、徳島市・国府町(天石門別八倉比売神社=天照大神)と山系で接続する。
- 阿波説では、佐那河内村を 天孫族・天皇家の阿波本拠 の一拠点とする論があり、本社はその祭祀的中核。
- 天岩戸別神社(佐那河内村)の存在も併せ、佐那河内=天岩戸神話の阿波内地比定地候補。
6-3. 神武東征の出発地論との接続
- 阿波説では、神武東征は 阿波→大和 の東遷。
- 神武の前代の天皇(欠史八代)が阿波で活動し、第五代孝昭天皇(御間都比古)の祭祀が阿波に残存することは、王朝の本貫地論を補強する。
6-4. 「観松彦香殖稲尊」の稲作神格
- 孝昭天皇の和風諡号「観松彦香殖稲尊」は、稲作・農耕の神格を含む。
- これは阿波の稲作・粟作祭祀(上一宮大粟神社=大宜都比売)と祭祀構造的に親和する。
7. 関連神社・関連氏族
- 上一宮大粟神社(神山町:大宜都比売命)
- 天石門別八倉比売神社(国府町:天照大神祭祀)
- 天岩戸別神社(佐那河内村)— 手力男命祭祀
- 阿波天皇家(阿波説における欠史八代の本拠氏族)
8. 現地情報
- 所在地:徳島県名東郡佐那河内村下モノミ石74-2
- アクセス:徳島市中心部から佐那河内村方面、村中心部から下集落
- 周辺:阿波山地、神山町・佐那河内村の境界域
- 外部参考:玄武神社サイト https://genbu.net/data/awa2/mimatuhiko_title.htm
9. 参照ブログ・Web資料
参照資料(ブログ・Web自動)
- 2009-11-05-式内社 御間都比古神社 名東郡佐那河内村
- 孝昭天皇から考察 ① コラクのブログ
- 孝昭天皇から考察 ② コラクのブログ
- 孝昭天皇から考察 ①
- 孝昭天皇から考察 ②
11. 関連ノート(Vault内)
12. 留保(中立的併記)
注意
- 欠史八代天皇の阿波内地活動論は阿波説的解釈で、通説(実在性自体が学術的に未確定)とは大きく異なる。
- 「色止」の解釈(同腹の弟・妹/孝昭天皇本人の尊号)は文献的に確定していない。
- 中世以降の伝承経緯は不詳な点が多く、比定地の連続性も検証が別途必要。
- 本ノートのevidence_typeは “primary_source_based”、confidence は 2(他ノートより低め)。
※本稿は阿波国の式内社一覧の名方郡所属社として、欠史八代天皇の阿波拠点論という観点から位置付けられる。
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