倭大国玉神(やまとおおくにたまのかみ)

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要旨

倭大国玉神(やまとおおくにたまのかみ) は、阿波美馬郡の式内社 倭大國魂神大國敷神社 の主座に祀られる国魂神。「倭(ヤマト)の国魂」を意味し、『日本書紀』崇神6年条で天照大神とともに宮中から出された倭大国魂神に比定される。配偶神 大国敷神 と対をなす二座社の主神で、阿波説では 「倭」を冠する阿波唯一の式内社の主祭神 として、阿波=ヤマト発祥の地とみる国魂祭祀の中心に位置づけられる。


1. 命題の構造

観点通説阿波説
倭大国魂神大和(奈良)の国土の神。崇神朝に大和神社へ祀る阿波美馬郡こそ「倭(ヤマト)」の国魂祭祀の本源
「倭」の地奈良盆地阿波(粟国)=ヤマト発祥の地とみる
鎮座大和神社(奈良県天理市)倭大國魂神大國敷神社(美馬郡)が元宮

2. 基本情報

項目内容
読みヤマトオオクニタマノカミ
登場社倭大國魂神大國敷神社(1座目)
配偶神大国敷神
所属郡美馬郡
比定論社倭大国魂神社/医家神社
社格小
位置付け二座社の主座。阿波唯一の「倭」を冠する式内社

3. 神格と社伝

倭(ヤマト)の国魂神。『日本書紀』崇神6年条では、それまで天照大神とともに宮中(天皇の大殿)に並べ祀られていたが、その神威を畏れて二神ともに宮外へ移されたと伝える。天照大神は豊鍬入姫命に託されて各地を巡幸し(元伊勢伝承)、倭大国魂神は渟名城入姫命に託されたとされる。国土そのものの霊威を司る 国魂(くにたま)神 の代表格である。

阿波説では、この「倭(ヤマト)」を奈良ではなく阿波(粟国)に求め、本社を国魂祭祀の本源とみる。配偶神 大国敷神 の「敷」は領域を敷き治める意で、倭大国玉神と対をなす配偶神格、または別格の地主神とされる。


4. 阿波説における位置づけ

4-1. 「倭」を冠する阿波唯一の式内社

美馬郡 倭大國魂神大國敷神社 は、阿波国の式内社のなかで 「倭」を社名に冠する唯一の社 である。阿波説はこれを、阿波こそ「倭(ヤマト)」発祥の地であることの式内社名上の痕跡とみて、国魂祭祀の中心に位置づける。

→ 阿波国の二座社一覧

4-2. 国魂祭祀と元宮論

宮中から出された倭大国魂神を阿波で祀る本社は、奈良・大和神社の 元宮 に当たるとする立場がある。天照大神の元伊勢巡幸(元伊勢と伊勢神宮への遷座)と対をなす「もう一柱の宮中神」の移座の物語として読まれる。

4-3. 二座社の対偶構造

→ 阿波国の二座社一覧


5. この神を祀る式内社

※ deities または aliases に「倭大国玉神」を含む式内社(旧郡順)。

神社旧郡座数主祭神
倭大國魂神大國敷神社美馬郡2倭大国玉神・大国敷神

6. 関連ノート


7. 参照資料(ブログ・Web)

  • ヤマト 考察 ③(本文中 “倭大国玉神” ×5)

8. 留保

注意

  • 倭大国魂神そのものは『日本書紀』に基づくが、「倭=阿波」「本社=大和神社の元宮」とする比定は阿波説的解釈 であり通説とは異なる。
  • 配偶神 大国敷神 との関係(夫婦・対偶・地主神)は社名の二座併記に基づく推定で、資料的に確定していない。
  • 比定論社(倭大国魂神社/医家神社)の確定にも諸説がある。
  • 本ノートの evidence_type は “shrine_deity”、confidence は 3。