粟国造と大粟・粟飯原氏:国魂神を奉斎し続けた正統なる土着王権

要旨

阿波国(粟国)の国魂神・大宜都比売命を代々奉斎し、行政を司った土着王権としての粟国造と、その末裔である大粟氏・粟飯原氏の系譜を整理する論考。大粟山(神山)を拠点に祭祀を独占し、平安期以降は小笠原氏(一宮氏)に祭祀権を脅かされながらも、社名奪還の運動を通じて正統性を現代まで守り抜いた。系譜上は高皇産霊尊の直系を称し、天孫降臨以前からの阿波統治権を象徴するとされる。粟国造の存在自体は『先代旧事本紀』国造本紀に記載があり、阿波説では「土着の正統王権」を裏づける核心氏族として位置づけられる。

阿波国(粟国)の国魂神である大宜都比売命を、代々奉斎し、行政を司った正統な一族。

歴史的変遷

  • 祭祀の独占: 大粟山(神山)を拠点とし、粟国造家として君臨。平安時代以降、小笠原氏(一宮氏)にその地位を脅かされつつも、社名奪還の闘いを通じてその正統性を現代まで守り抜いた。
  • 系譜の独自性: 高皇産霊尊(タカミムスビ)の直系を称し、天孫降臨以前からの阿波の統治権を象徴する。

関連する聖地

留保

注意

粟国造が阿波国を治めた国造であったこと自体は『先代旧事本紀』国造本紀などに記載があり、確度は比較的高い。一方、「高皇産霊尊の直系」「天孫降臨以前からの統治権」「二千年にわたる祭祀の正統継承」といった主張は、近世・近代の家伝(『粟飯原家略傳』ほか)や神社縁起に基づく自己証言であり、通説として確立した史実ではない。大宜都比売命=粟国魂神という比定、および小笠原氏との社名奪還の意義づけは阿波説・地元伝承固有の解釈を多く含む。古代の国造制と中世以降の祭祀権闘争・家系主張は史料の性格が異なる点に留意(evidence_type: primary_source_based / confidence: 3)。

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