1. 編年の構造的課題:寺澤編年 vs 菅原編年

従来の畿内中心の編年(寺澤編年)と、阿波の一次資料に基づく編年(菅原編年)の間には、決定的な解釈の差異が存在する。

段階畿内(寺澤編年)阿波(菅原編年)主な特徴・遺構
弥生後期末庄内0式阿波V様式卑弥呼の共立・治世
弥生終末期(1)庄内1式阿波VI-1式萩原2号墓(積石木槨の出現)
弥生終末期(2)庄内2式 / 纒向1式阿波VI-2式萩原1号墓(卑弥呼の墓)
古墳時代初頭纒向2式 / 布留0式阿波VI-3式箸墓古墳・前方後円墳の定型化

核心的な問い:その「時間差」は実在するか?

畿内基準では「地方から時間差をもって流入した」とされる土器が、阿波では先行して自律的に変化している。これは、阿波が技術・祭祀の発信源であったことを示唆している。 2026-03-25-阿波_vs_纒向_小型丸底鉢比較―寺澤編年_vs_菅原編年―



※本稿は阿波・畿内土器編年比較論から詳細化・分割された専門論考である。