渋野丸山古墳(しぶのまるやまこふん)

📌 概要

  • 所在地: 徳島県徳島市渋野町三ツ家
  • 年代: 古墳時代中期(5世紀前半)
  • 指定: 国の史跡(2009年指定)
  • 種別: 前方後円墳

📏 規模と構造

四国地方で第2位、徳島県内では最大の規模を誇る巨大前方後円墳である。

  • 墳丘長: 約105メートル(周濠を含めた全長は約118メートル)
  • 後円部: 直径 約69メートル、高さ 約10.5メートル
  • 前方部: 幅 約60メートル、長さ 約44.5メートル
  • 築成: 前方部・後円部ともに3段築成。
  • 特筆すべき構造:
    • 造出(つくりだし): 南側のくびれ部に祭祀を行うための張り出し部(造出)が存在する。これは四国地方の前方後円墳では唯一の確認例である。
    • 周濠: 墳丘の周囲には盾形の濠が巡らされている。
    • 葺石と埴輪列: 墳丘斜面には葺石が敷かれ、平坦面には円筒埴輪が並べられていた。

⛏️ 主な出土品

主体部(埋葬施設)は未調査であるが、墳丘部から多数の埴輪が出土している。

  • 形象埴輪: 家形、盾形、よろい形、衣笠形、舟形などの多彩な形象埴輪が出土。
  • 円筒埴輪・朝顔形埴輪
  • 土器: 小型丸底壺などの土師器(造出付近での祭祀跡)

🔍 学術的意義・阿波説における重要性

  1. 畿内政権(ヤマト王権)との強固な結びつき 3段築成、造出、盾形周濠、そして豊富な形象埴輪といった特徴は、同時代の畿内の中央政権が築造した巨大古墳(大仙陵古墳など)と共通する規格である。これは、被葬者である阿波の首長が畿内政権と極めて密接な同盟関係、あるいは強い影響下にあったことを示している。
  2. 阿波における政治的中心地の移動 前期まで前方後円墳が築かれていた吉野川流域(阿波忌部の本拠地周辺など)から、勝浦川流域へと勢力の中心が移動したことを示す象徴的なランドマークである。

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