加毛神社(加畑賀茂神社)

要旨

伊豆国賀茂郡の式内小社「加毛神社二座」の論社。比定社は 加畑賀茂神社(かばたかもじんじゃ/静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂)。創建は平安初期・大同年間(806〜810)と伝える。社名「賀茂(加毛)」が示す通り 鴨氏(賀茂氏)の奉斎する社 で、鴨氏祖神 味耜高彦根命(迦毛大御神)の系譜に連なる。阿波説では、伊豆賀茂郡という地名・社名自体が 鴨族の黒潮東遷の痕跡 であり、阿波の鴨族祭祀(丹田古墳(加茂山):阿遅鋤高日子根神の神陵と巨石文化)から伊豆・下野(日光二荒山神社)へと展開した鴨族ネットワークの一拠点として位置づけられる。


1. 命題の構造

観点通説阿波説
社名「賀茂(加毛)」の由来鴨氏(賀茂氏)の奉斎に基づく地名・社名(由来自体は阿波と無関係とする)「賀茂郡」「加毛神社」という郡名・社名そのものが鴨族の進出痕跡
祭神・系譜の起点鴨氏祖神・味耜高彦根命(迦毛大御神)の祭祀系譜の一つとして独立に成立阿波の鴨族祭祀(丹田古墳=阿遅鋤高日子根神の神陵)を起点とする鴨族東遷の、伊豆における到達点の一つ
伊豆国の鴨族ネットワーク各社は個別の由緒に基づく独立した信仰圏事代主(伊豆三嶋・安房)と味耜高彦根(伊豆賀茂・下野日光)の二系統が交差する東遷の要衝

2. 基本情報

項目内容
社名加毛神社(加畑賀茂神社)
所在地静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂
創建平安初期・大同年間(806〜810)と伝える
主祭神味耜高彦根命(迦毛大御神)※社名・鴨氏祭祀からの推定
配祀—
延喜式表記伊豆国 賀茂郡 加毛神社(二座)
社格式内小社
位置付け加畑賀茂神社は「加毛神社二座」の内の一座とされる論社

3. 祭神と社伝

社名「賀茂(加毛)」は 鴨氏(賀茂氏) の奉斎を示し、鴨氏祖神・味耜高彦根命(迦毛大御神)の祭祀系譜に連なると伝える。御神木はビャクシン(イブキ、樹高8m・周囲6.3m)。


4. 歴史

  • 延喜式神名帳(927年)に「伊豆国 賀茂郡 加毛神社(二座)」として記載された式内社。
  • 比定社・加畑賀茂神社は『延喜式神名帳』所載「加毛神社二座」の内の一座とされ、創建は平安初期・大同年間と伝える。

6. 阿波説における意義

6-1. 賀茂郡・加毛神社という地名・社名自体が示す鴨族東遷

伊豆国は阿波海人族の黒潮ルートによる東遷地。延喜式に92座という異常な集中があり、海上交通の要衝としての祭祀ネットワークを示す。「賀茂郡」「加毛神社」という郡名・社名そのものが鴨族の進出痕跡であり、阿波の鴨族祭祀(丹田古墳(加茂山):阿遅鋤高日子根神の神陵と巨石文化=阿遅鋤高日子根神の神陵)を起点とする鴨族東遷の、伊豆における到達点の一つと読める。

6-2. 事代主・味耜高彦根の二神祭祀軸

鴨族の二神 味耜高彦根命・事代主命(エビス) の祭祀軸(事代主=伊豆三嶋・安房/味耜高彦根=伊豆賀茂・下野日光)の一翼。伊豆国は両系が交差する東遷の要衝。


7. 関連神社・関連氏族


11. 関連ノート(Vault内)


12. 留保(中立的併記)

注意

  • 加畑賀茂神社は「加毛神社二座」の論社であり、二座すべてを単独で担うとは限らない。比定には他説の可能性も残る。
  • 祭神を味耜高彦根命とするのは社名「賀茂」と鴨氏祭祀からの推定で、現祭神の明示的確定とは別。創建(大同年間)以前の古層は不詳。
  • 「鴨族東遷(阿波→伊豆)」は神格系譜・地名・社名に基づく阿波説的仮説で、一次史料が阿波起源を明記しない。
  • 本ノートのevidence_typeは “shrine_origin”、confidenceは3。