東阿波型土器 ファクトシート

基礎情報

  • 種別: 土器形式(地域型式)
  • 時代: 弥生時代後期〜古墳時代前期(2世紀〜4世紀)
  • 分布中心: 徳島県東部(鳴門・徳島・小松島・阿南)
  • 対比: 西阿波系(吉野川中・上流域)と区別される

概要

東阿波型土器は、徳島県東部の弥生後期〜古墳前期に作られた在地の土器形式。鉢・甕・壺などに特徴的な口縁部・胎土・調整技法を持ち、考古学的に明確に識別される。

識別される特徴

  • 胎土に砂粒・雲母を多く含む
  • 口縁部に独特の屈曲・刻み目
  • ハケ調整・ナデ調整の組合せ

阿波説における重要性

1. 纒向遺跡における東阿波型土器の出土

奈良県桜井市の纒向遺跡(初期ヤマト王権の都城)から、東阿波型土器が一定比率で出土している。この事実は:

  • 弥生末〜古墳前期に阿波東部 → 纒向への人・物の移動があったことを示す
  • 「外来系土器」の中でも東阿波型は特に多い時期がある
  • 阿波説では「阿波忌部・粟飯原氏らの東進の物的証拠」とされる

2. 西日本各地への波及

纒向以外にも河内・摂津の遺跡から東阿波型土器が出土。古墳時代前期における阿波の交易・文化波及の証拠。拡散の地理的ルート(瀬戸内海沿岸→大阪湾→中河内→大和)と編年の詳細は 東阿波型土器の拡散:瀬戸内海・近畿への伝播ルートと編年 を参照(搬出を明記する遺跡のみを典拠とし、出土=政治的支配ではないとの留保つき)。

3. 矢野遺跡との関係

徳島市国府町の矢野遺跡は、東阿波型土器の主要生産・集積地と推定される。

参考文献

  • 徳島県立埋蔵文化財総合センター 編 各種報告書
  • 纒向学研究センター 紀要
  • 10_矢野遺跡
  • 古事記国作りと銅鐸(note)

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