八倉比売神社(やくらひめじんじゃ)

📌 概要

  • 所在地: 徳島県徳島市国府町矢野(気延山の南麓、杉尾山)
  • 祭神: 大日霊女命(おおひるめのみこと)※天照大神の別名
  • 格式: 『延喜式』神名帳に記載された名神大社(阿波国に3社のみ)の論社の一つ。

📏 構造と伝承

気延山一帯の古代史を語る上で欠かせない、極めて特異な伝承と遺構を持つ古社である。古くは気延山山頂に鎮座していたと伝えられる。

特筆すべき遺構(奥の院の石積み)

本殿の裏手(奥の院)に、阿波特産の青石(結晶片岩)を積み上げて造られた正五角形の石積み祭壇が存在する。

  • 形状: 正五角形の基壇の上に、木製の祠が置かれている。
  • 伝承: 地元では古くから「卑弥呼の葬儀台」あるいは「卑弥呼の墓」であるという伝承が存在する。

🔍 学術的意義・阿波説における重要性

  • 邪馬台国阿波説の核心(卑弥呼の比定地) 邪馬台国阿波説において、この八倉比売神社は「卑弥呼の都」あるいは「卑弥呼の墓所」の最有力候補地としてしばしば言及される。
    1. 祭神の一致: 祭神の大日霊女命(太陽神=天照大神)を、邪馬台国の女王である卑弥呼と同一視する解釈。
    2. 立地: 眼下に西日本最大級の弥生集落「矢野遺跡」が広がり、周辺には「宮谷古墳(三角縁神獣鏡出土)」など200基以上の古墳が密集する気延山という、当時の「クニ」の絶対的な中心地に位置している点。
    3. 五角形の祭壇: 全国的にも類を見ない特異な五角形の石積み遺構が、古代の特殊な祭祀(鬼道)を連想させる点。

この神社は、考古学的な発掘調査による裏付け(石積みの正確な年代特定など)は十分ではないものの、伝承・立地・周辺遺跡の状況が驚くほど『魏志倭人伝』の記述と符合するため、阿波古代史の最大のミステリー・スポットとなっている。

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