賀志波比賣命(かしわひめのみこと)/ 日本の神々の話
元記事: 四季歩のつれづれ (2016/10/07)
概要
下総国の麻賀多神社奥宮の境内社「加志波比売神社」をきっかけに、阿波国(徳島県)の賀志波比売神社、さらには近江国、出雲国へと遡る「カシワヒメ」祭祀の系譜に関する考察。
祭祀の変遷と伝播
- 阿波国(徳島県):
- 遠峯神社(津峯神社)社伝: 神亀元年(724年)、神託により津峰山山頂に賀志波比売命を祀ったのが始まり。国家鎮護・延命長寿の神とされる。
- 延喜式神名帳: 「阿波国那賀郡 賀志波比売神社」として記載。
- 下総国(千葉県):
- 麻賀多神社奥宮の境内社「加志波比売神社」は、阿波国からの分祀。
- 古代、四国から黒潮に乗って房総半島に移住した民族(安房国などの由来と同様)の存在を示す。
氏族と神名の考察
有力氏子:柏木氏と善積氏
- 柏木氏:
- 近江国甲賀郡の柏木庄を姓の発祥とする。
- 阿波の賀志波比売神社と、近江の「石部鹿塩上神社(いしべかしおのかみやしろ)」は同一神を祀る。
- 善積氏:
- 近江国造族の支族。
- 近江国高嶋郡善積郷の「阿志都彌神社」にて、**神吾田鹿葦津姫(カム・アタカアシツヒメ)**を祀る。
出雲へのルーツ
- 日御碕神社(出雲):
- 太陽神を祀る神社として出雲大社より古い歴史を持つ。
- 神主家は小野氏(家紋は「柏」)。
- 小野氏は近江国滋賀郡小野に領地を持ち、近江国造族と系譜上で繋がる。
- 神名の解釈:
- 出雲風土記に登場する阿陀加夜努志多伎吉比売命(アダカヤヌシタギキヒメ)。
- 「カヤ」を「柏(栢)」と解釈すれば、「アダカヤ」=「アタカシワ(アタカシホ)」となり、**吾田鹿葦津姫(木花之佐久夜毘売)**を指す。
- 「阿陀加夜」は東出雲町の地名「出雲郷(あだかや)」に残る。
結論
下総国で見出された「カシワヒメ」は、阿波国、近江国を経て出雲の日御碕神社へと行き着く。その正体は、出雲最高の太陽の女神であり、佐比売山の女神とも関連する阿陀加夜努志多伎吉比売命であると考えられる。
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