佐佐久神社

📚 伊予国桑村郡の式内社 — 西条市安用に鎮座する桑村郡の式内小社。「ササク(笹久)」は笹を媒介とする祭祀地名で、古代の植物神祭祀の系譜。素盞嗚尊・大己貴命・少彦名命の出雲系を祀る。

命題の構造

観点通説阿波説
社名「佐佐久」在地の地名(笹・笹久)に由来する小社「笹(ささ)」を媒介とする植物神祭祀地名で、阿波忌部の植物祭祀との連関を読む
主祭神素盞嗚尊・大己貴命・少彦名命の出雲系三神出雲系祭祀の四国西進(阿波・名西郡経由)の展開とみる
郡名「桑村」古代の郷名・郡名養蚕・絹生産文化の名残とし、阿波忌部の繊維生産文化と関連付ける
祭祀の担い手在地氏族・桑村郡の地主祭祀阿波忌部の内陸祭祀ネットワークの拠点とみる

※阿波説欄は本ノート既述の解釈を整理したもの。地名学的連関・繊維文化連関は推論段階であり、根拠は「留保」を参照。

基本情報

  • 延喜式記載: 伊予国 桑村郡 佐佐久神社
  • 読み: ササクノ
  • 社格: 小社
  • 比定社・論社: 佐々久神社
  • 所在地: 愛媛県西条市安用512
  • 郵便番号: 799-1333
  • 主祭神: 素盞嗚尊、大己貴命、少彦名命

祭神と社伝

  • 主祭神は素盞嗚尊・大己貴命・少彦名命の出雲系三神。
  • 「ササク(佐佐久)」は古代の祭祀植物「笹(ささ)」を媒介とする祭祀地名と理解される。
  • 桑村郡内陸部(安用)の地主祭祀として、出雲系神格を担当した。

歴史

  • 延喜式神名帳(927年)に「伊予国桑村郡 佐佐久神社」として記載。
  • 中世は河野氏の支配下、桑村郡の小社として継承。
  • 江戸期は西条藩の管理下、明治期に村社列格。

核心論点:桑村郡式内三社の祭祀分担

  • 桑村郡の式内社は布都神社(物部系・剣神祭祀)・周敷神社(在地豪族周敷神社の祖廟)・佐佐久神社(出雲系)の三社で構成される。三社は性格を異にし、郡内で祭祀機能を分担していたと整理できる。
  • 当社が担うのは素盞嗚尊・大己貴命・少彦名命の出雲系神格であり、農耕・国土経営・医薬の神格を中心とする。剣神(武)の布都、在地祖廟の周敷とは対照的な、自然神・国造り神の系統に立つ。
  • 内陸部(安用・安用地区)の立地は、瀬戸内海岸の海洋祭祀(黒島・伊曽乃など)に対して、桑村郡平野部の農業祭祀拠点としての位置付けを示す。

阿波説における意義

  • 出雲系三神祭祀は、阿波説では阿波・名西郡の出雲系祭祀の四国西進ルート上に位置する。桑村郡は新居郡と越智郡の中間にあり、阿波忌部の内陸祭祀ネットワークの拠点。
  • 「ササ(笹)」は阿波忌部の植物祭祀(麻・忌部植物群)と通じる植物神格で、阿波忌部の自然神祭祀の伊予展開と理解される。
  • 桑村郡の地名「桑(くわ)」自体が、阿波忌部の養蚕・絹生産文化との連関を持つとされ、当社は桑村郡における阿波忌部の繊維生産祭祀の傍系に位置する。
  • 出雲系三神は、阿波説では伊射奈美神社(阿波国美馬郡)など阿波の素戔嗚・出雲系祭祀と同根とされ、伊予内陸への展開の一例として読まれる。

関連神社・関連氏族

現地情報

  • アクセス:JR伊予三芳駅から車、安用地区
  • 主要祭事:例祭(秋)

関連論考

関連リンク

留保

  • 「ササ=笹祭祀」「桑村=養蚕文化」の解釈は地名学的推論。
  • 阿波忌部の繊維生産・植物祭祀との連関は地理的近接性からの推論で、考古学的物証は限定的。
  • 出雲系三神を阿波・名西郡経由の四国西進とする読みは阿波説固有の解釈で、通説では出雲・伊予間の祭祀伝播を直接想定する。
  • 主祭神比定は延喜式記載のみに基づき、式内当時の祭神との一致は未詳。
  • evidence_type は既存値 “式内社”(当Vault凡例の慣用値)を維持。confidence は「中(延喜式記載のみ)」。