1. 剣山(つるぎさん)の名の由来と安徳天皇

四国第二の高峰である「剣山(つるぎさん)」は、もともとは「石立山(いしだてやま)」と呼ばれていた。 この山名が「剣山」へと変化し定着したのは、壇ノ浦の戦いから阿波の秘境へ逃げ延びた安徳天皇と三種の神器にまつわる壮大な伝承によるものである。

📌 伝承の概要

  • 草薙の剣の奉納: 屋島の戦いで敗れた平家の一門は、安徳天皇の影武者(国若丸)を壇ノ浦へ向かわせ、本物の天皇を守護して阿波の祖谷へと逃れ落ちた。一行は平家再興を祈願するため、持参していた三種の神器の一つである**「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ=草薙の剣)」**を、石立山(現在の剣山)へと運び上げた。
  • 宝蔵石(ほうぞうせき)への埋納: 山頂付近にある巨大な磐座「宝蔵石」の下に、この宝剣を納めた(奉納・埋納した)とされる。これ以降、山頂の社は「御劔の宮(みつるぎのみや)」と呼ばれるようになり、山そのものも「剣山」と呼ばれるようになった。

🔍 詳細な解説

安徳天皇の阿波落ち延び説と剣山の詳細な伝説、祖谷に残る痕跡(平家の赤旗、御火葬場跡など)については、以下の専門ノートを参照。

👉 安徳天皇の阿波落ち延び説:壇ノ浦替え玉と剣山頓宮


※本稿は式内社/01_阿波国/03_伝承・研究資料/剣山伝承詳細集_詳細から抽出された論考である。