阿波学会研究紀要(徳島県立図書館公開)

徳島県立図書館が公開している「阿波学会研究紀要」は、阿波説の検証において、各市町村レベルの精密な「考古学データ」および「神社の由緒・伝承」を確認するための極めて重要な一次・二次資料群である。

🔗 阿波学会研究紀要 デジタルアーカイブ

活用方法と着眼点

特定の仮説(畿内説・阿波説など)に偏らない総合学術調査であるため、客観的なファクト収集に最適である。

1. 「考古学班報告」の活用

各号の考古学班報告には、古墳や遺跡の分布と発掘状況が記録されている。

  • 古墳の分布と編年: 阿波における前方後円墳や積石塚(萩原墳墓群など)、箱式石棺墓のデータ。
  • 阿波型木製品と土器: 弥生時代の集落遺跡から出土する遺物。これらが近畿方面へどのように流通したか(東阿波型土器の流通)を裏付けるデータとなる。 👉 リンク: 考古学ファクトシート_ポータル

2. 「歴史学班報告」の活用

  • 式内社の比定と由緒: 『延喜式』神名帳に記載された阿波国の式内社の現在地、歴史的変遷、古文書の記録。
  • 忌部氏の足跡: 麻植郡や美馬郡における「阿波忌部」に関連する史跡、神社(忌部神社など)の論争記録。 👉 リンク: 阿波国の式内社一覧、阿波忌部と忌部神社

3. 地域別の調査(市町村ごとの深掘り)

阿波説の舞台となる重要エリアの報告書は必読。

  • 吉野川市(旧麻植郡): 阿波忌部の本拠地、古墳群。
  • 鳴門市: 萩原墳墓群(積石塚)、大谷古墳。
  • 阿南市: 若杉山辰砂採掘遺跡(朱の産地)。
  • 佐那河内村: 天孫降臨の地「狭長田」の比定地周辺の伝承。