松尾神社(まつおじんじゃ)

要旨

徳島県名西郡神山町阿野福原525-1に鎮座する創祀年代不詳の神社。主祭神は大山咋命(おおやまくいのみこと)。阿波説(阿波国高天原説/四国邪馬台国説)では、京都・嵐山の松尾大社の元宮にあたるとされる。論拠は祭神(大山咋命)の一致と、松尾大社を奉斎した秦氏の阿波由来説に置かれる。本ノートの現地比定の典拠はYouTube動画概要欄1本のみで薄い(confidence: 1)。


1. 命題の構造

観点通説阿波説
元宮の所在京都・松尾大社が本源(秦都理が701年造営)阿波・神山町の松尾神社が先行
比定の核―大山咋命の祭神一致+秦氏の阿波由来
秦氏の動き山城を本拠とする渡来系氏族阿波忌部と共生し、阿波→山城へ祭祀を移転
周辺の符合単独神山町に鴨・宇佐など京都名社の元宮論が集中

2. 基本情報

項目内容
社名松尾神社
所在地徳島県名西郡神山町阿野 福原525-1(北緯34.0064・東経134.3775)
創建不詳
主祭神大山咋命
位置付け阿波説:松尾大社(京都市西京区)の元宮

3. 祭神 — 大山咋命(おおやまくいのみこと)

  • 『古事記』に「近淡海国の日枝山に坐し、また葛野の松尾に坐し、鳴鏑(なりかぶら)を用ふる神」と見える山の神。須佐之男命の孫・大年神の御子。
  • 比叡山(日吉大社)と松尾(松尾大社)の祭神で、酒造・治水・農耕の神として信仰される。
  • 当社が大山咋命を祀る点が、松尾大社(祭神:大山咋神・市杵島姫命)との一致として元宮論の核に置かれる。

4. 阿波説における位置づけ

  • 阿波国神話中心地説(≒四国邪馬台国説、≒阿波国高天原説)によれば、当社が京都の松尾大社の元宮にあたるとされる。
  • 松尾大社の主祭神は大山咋命・中津島姫命(=市杵島姫命)で、当社の主祭神(大山咋命)と一致する点が論拠とされる。
  • 京都の松尾大社は秦氏が奉斎した社であり、秦氏は阿波忌部と共生した渡来系技術集団でもある(阿波秦氏:忌部氏と共生した渡来系技術集団と養蚕の伝播)。阿波説は、秦氏が阿波から山城へ展開する過程で松尾・稲荷・賀茂などの祭祀を京都へ移したとみる(著名神社の京都遷座と地名のスライド)。

神山町に集中する「元宮群」

当社単独ではなく、神山町とその周辺には京都・大和の名社の元宮論を持つ社が集中し、当社もその一群を成す。秦氏・忌部の祭祀圏としての面的な符合が、点(祭神一致)の論拠を補強する材料とされる。

阿波の社(所在)元宮とされる先祭神・接続
松尾神社(神山町阿野)松尾大社(京都)大山咋命。秦氏遷座
宇佐八幡神社(神山町下分)宇佐神宮(大分)応神天皇・宗像三女神
鴨神社(東みよし町)上賀茂・下鴨(京都)賀茂別雷。秦氏・賀茂系遷座

5. 関連神社・関連ノート


6. 史料

一次史料

  • 『古事記』神代(大年神系譜・大山咋命「葛野の松尾に坐す」条)
  • 『延喜式』神名帳(山城国葛野郡 松尾神社二座 並名神大)

後世の記録

  • 松尾大社社伝(大宝元年・秦都理の社殿造営)

7. 留保(中立的併記)

注意

  • 本ノートの現地比定(神山町松尾神社=元宮)の典拠は字幕なしYouTube動画(まことの道, 2022-12-23)の概要欄1本のみ。
  • 「松尾大社の元宮」とする主張の具体的論拠(文献・社伝・考古)は概要欄に示されておらず、論拠は祭神の一致と秦氏の阿波由来説に依存する。文献的・考古的裏付けは別途必要。
  • 通説では京都・松尾大社の創建は大宝元年(701)、文武天皇の勅命により**秦忌寸都理(秦都理)**が社殿を造営したとされ、祭神は大山咋神・市杵島姫命(=中津島姫命の別名)。阿波元宮説(阿波の松尾神社が先)は通説と異なる。
  • 「神山町の元宮群」の面的符合は阿波説の傍証とされるが、各社の元宮論自体がいずれも confidence の低い説である点に留意。
  • evidence_type: metadata_only / confidence: 1

出典:【元松尾大社】松尾神社は徳島県名名西郡神山町阿野に鎮座する創祀年代不詳の神社である。(まことの道, 2022-12-23)